”むくみ”を飛ばしてすっきり軽やかな体を…

関東地方は例年より少し遅く梅雨入りをしました。雨の多い季節は体に不要な湿気がたまるので体が重く、むくみが出やすい時期です。この梅雨時期に私たちの体に忍び寄るのが”湿邪”という”むくみ”の原因となる邪気です。脱”むくみ”!の為にまずは”湿邪”という敵を知りましょう。

湿邪の性格は一言で言うと粘着質。チクチク、ネチネチと長ーーく体に居座り不調を長びかせるタイプの邪気なのです。不摂生な食事をされていたり疲労が溜まっている方は、湿邪が入り込みやすくなっているので食生活の見直し、十分な睡眠を心がけていきましょうね。

この湿邪が体に入り込んでしまうと脾が行う【運化】という働きを邪魔します。運化とは体に必要な水分を『肺』や『腎』と連携して体の各所に届け、古い水分を尿として排泄する巡り、サイクルです。湿邪は脾にまとわりつき、動きづらくさせてこの巡り、サイクルを停滞させてしまうのです。その為、古い水分がどんどん体内に溜まり、肌肉にまで浸水して膨れてきます。これが”むくみ”です。水分の巡りの不調に依るものなので”むくみ”を漢方中医学では”水腫(すいしゅ)”と呼びます。

湿邪を寄せ付けない為には部屋の換気をこまめにして湿気が室内にこもらないようにする事や、脾を弱らせないようにお腹を温める事が大事です。では、食事ではどんな注意をしたら良いのかというと…まずは消化の良い物で脾に負担をかけない事。そして甘いものや脂っこいものは”湿邪”を呼び込むので控えめにする事。あとは利尿作用のある食物や脾の元気を補強する食材、気の巡りをよくする物などを下記を参考に食事に取り入れてみてください。

利尿、利水の食材…あずき、玄米、はとむぎ、きゅうり、鯛、黒豆、とうもろこし、白菜など。

脾を元気にする食材…白ごはん、米麹、さつまいも、黒豆、枝豆、小松菜など。

気の巡りをよくする”行気”の食材…しそ、すだち、かじきまぐろ、陳皮、八角、バジル、ピーマンなど。

今回のテーマ”むくみ”に良い働きをしてくれる当店漢方茶は『草原の人魚』と『雪娘のぬくもり』です。

お腹があまり強くない方はこちらの『草原の人魚』を。

脾を元気にする高麗人参、”利水”の働きがある玄米、とうもろこし、黒豆がブレンドされています。

冷えがある方はこちらの『雪娘のぬくもり』を。

体を温める桂枝(シナモン)、”利水”の働きがあるはと麦、とうもろこし、黒豆がブレンドされています。

体がすっきり軽くなると心まで軽やかになります。梅雨の合間にあるお天気の良い日にはお外に出て太陽の暖かさと自然に吹く風にあたり、体に溜まった湿気を乾かしましょう。                   

国際中医薬膳師 田中 奈津子

漢方コラムは毎月第一、第三土曜日更新です。次回は7月3日更新です。

『理想肌に漢方でアプローチ!あなたの肌に本当に必要なのは?』③潤い

こんにちは。全③回に渡りお伝えしてきた”理想肌に漢方でアプローチ!”今回が最終回となります。洗顔の後、秒速で化粧水など何かしらをつけないとすぐにカラッカラになるわっ!という方、体の内側からもケアを始めていきましょう。最後の回は【潤い】について…

化粧水をつけている人のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

漢方では血以外の体内水分を”水(すい)”と言います。この水が肌を瑞々しく保つ潤いの元となります。そしてこの潤いの元を全身に運んでいるのが※『肺』という臓グループ。そう、お肌を【潤い】で満たす鍵はこの肺にあるのです。

※『肺』=内臓の肺を中心に呼吸器系、大腸などが属する臓のグループ。この臓の働きは主に呼吸と水分運搬である。

この肺が最も苦手とし、機能を低下させるもの、それは乾燥です。漢方では外の空気による乾燥に加えてもう一つ、老化による乾燥があると考えられています。老化により潤いを作る機能が低下し、自ら体内を乾燥させてしまうという【内燥】というもの。肺の機能が弱まり低下すれば水の運搬は滞り、潤いが届けられなくなります。

のどが渇いた人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

肺の機能低下=肌の乾燥

特に皮膚(肌)は体の一番外側にあり、ただでさえ潤いが届きづらい箇所です。肺を若々しく元気に保ち、肌まで潤いがしっかりたっぷり巡ってくるように暮らしの中で養生をしていきましょう。肺の動きを支え、潤い肌に導く食材をご紹介します。日々の食卓に加えてみてください。

補気(肺を若々しく元気に保つ)食材…☆アスパラ、きくらげ、モロヘイヤ、ぶどう

生津(水の不足を補い乾燥を和らげる)食材…豆乳、☆アスパラ、白きくらげ、ズッキーニ、梨、ぶどう、レモン、チーズ、ヨーグルト

滋陰(肌や体内の乾燥を和らげる)食材…やまいも、☆アスパラ、エリンギ、白きくらげ、にんじん、鶏卵、ヨーグルト

アスパラガスのイラスト(野菜) | かわいいフリー素材集 いらすとや

アスパラは補気、生津、滋陰の3つの働きを兼ねる食材。潤い肌には欠かせないので筆者も毎日積極的に摂っています。

肌の潤いが不安定な時は肺が不安定な時。こういう時は上記の食材を摂りながら、肺が落ち着くように静かに過ごすことを漢方では推奨しています。お部屋で映画を観たり、音楽を聴いたりしてゆったりと穏やかに。あと、肺という臓は悲しみ、憂いという感情に傷つきやすい臓なので、映画を観るなら悲恋ものよりもハッピーなラブコメなんかが良いのではないかと筆者は思います。

国際中医薬膳師 田中奈津子

泣きながらテレビを見る人のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

白金癒淹漢方コラムは毎月第一、第三土曜日14時更新です。次回は5月15日。

今日のおすすめの『白金癒淹・漢方茶』

【織姫の恋】

肺を乾燥から守る桑葉(そうよう)をメインとして、上記食材にもある肺の潤いを守る白きくらげがブレンドされています。爽快感ある飲み心地で少し暑くなってくるこれからの季節にさっぱりと美味しくいただける漢方茶です。

『理想肌に漢方でアプローチ!あなたの肌に本当に必要なものは?』①血色感

春は暦で一番最初の季節です。新しい生活習慣を始めるにはとても良い季節です。この季節を機にご自分の肌質にしっかりと向き合い、ご自分に合う本当の”肌活”を始めてみませんか?

美肌に必要な3要素

  • 血色感
  • ハリ
  • 潤い

全3回【①血色感②ハリ③潤い】に分けて”漢方的肌活のすすめ”をお話ししていこうと思います。

今回はお肌の『血色感』について。ほんのり桜色で血色感のあるお肌は生命力あふれる若々しさ、健康的で清潔感のある印象を与えます。この血色感はチークなどメイクで外側から作ることもできますが、お肌の内側からふわっと出る自然なものにはかないませんよね。この自然な血色感を漢方養生で内側から作っていきしょう。

まず顔色と関わりの深い『心』という臓を知りましょう。この心という臓は血管の管理と心臓の拍動をコントロールする臓。血が巡るリズムを作る臓です。心が調えば全身への血の供給が安定し、栄養が行き渡ります。この心が元気に正常に働いているかが体のある箇所に表れるのです。どこかというと…

〈在体合脈 其華在面〉

心の状態は血脈とリンクしていて、心の健康状態は顔色に反映されると漢方では考えられています。心に元気がなく不調のある方の顔色は蒼白くなります。ほんのり桜色の血色感を引き出すには心が健康でなければならないのです。顔に血色が足りない方は下記にある心の健康に良い働きをする食材を献立に取り入れてみてくださいね。

小麦、ココナッツ、百合根、なめこ、ひじき、豚のハツ、龍眼…

小麦、ココナッツは心が疲労した時に元気を補います。特にココナッツは元気を補うだけではなく心を強くしていくので血色感を作るのには欠かせない食材です。

白金癒淹にも心を元気にし、お顔の血色感を引き出す漢方茶をご用意しております。

☆乙姫の宝箱☆

〈西洋人参〉をメインに、体の緊張を解くハトムギもブレンドされています。お肌のリカヴァーや生成は睡眠中に行われるので、寝る前に温かい【乙姫の宝箱】を一杯。夜の肌活とあわせてリラックス効果にも良い一石二鳥の白金癒淹漢方茶をぜひお試しになってみてください。

美肌、理想肌は一朝一夕で作られるものではなく継続する事が大切です。日々の食卓やお茶に気負わず取り入れられる漢方の美肌アプローチ、この春から始めてみませんか。

国際中医薬膳師 田中奈津子

次回のコラム更新は4月17日(土)『理想肌に漢方でアプローチ!②ハリ』です。

『春の仕上げの養生』”脾”に元気を補い健やかな春を…

こんにちは。開花宣言が出され、桜の満開が待ち遠しい毎日です。

今回は『春の仕上げの養生』についてお話ししたいと思います。春が終わる前にしっかりと調えていきたいのが”脾(ひ)”。

脾は食べたものから”気”(エネルギー)や血(けつ)、水(すい)を作り、不要なものを排泄へと促す臓です。体の真ん中に位置することから”中焦(ちゅうしょう)”とも呼ばれています。

前回、春特有の悪い気”風邪(ふうじゃ)”が〈肝〉の動きを激しく乱してしまう…というお話をしました。肝と脾は相克(そうこく)関係という、上司と部下の様な関係であると漢方では考えられています。肝は時に優しく、時に厳しく…脾を監督しているようなイメージです。しかし春になり肝が乱れてしまうと脾への監視が激しくなり、脾は萎縮して動きが小さくなってしまうのです。肝が乱れると二次被害的に脾にも悪い影響が…

脾の動きが小さく、弱くなると気や血を作るペースが落ちてしまいます。気が不足すれば体がだるく、重くなり、お通じも力なくゆるく…また、血や水が不足すれば目まい、乾燥、月経にも影響を及ぼしますので漢方、薬膳で食生活に工夫をし、春のうちにしっかりと脾を調えていきましょう。

脾にエネルギーを補い栄養づくり、消化活動を活発にしていく【健脾】の食物はなんといっても”お米”です!黒米、米麹、玄米も同じく脾に力を与えます。少し冷えのある方はご飯に餅米を少しブレンドして炊くと良いでしょう。

あとは芋類に豆類も◎。じゃがいもや大豆は脾の中でも特に大腸に元気を与えるのでこの時期に便通が弱くスッキリしない方、お腹がゆるい方にとても良い食物です。

【健脾】の食物にはオレガノ、陳皮、八角、ナツメグなど【理気】の働きのあるハーブやスパイスを合わせると脾に集まった元気、エネルギーを効率よく巡らせて脾の活動を安定させます。

脾にエネルギーを運び、この時期の弱った胃腸を優しくリペアする当店の漢方茶『草原の人魚』はお湯を注ぐだけで手軽に『春の仕上げの養生』ができますよ。

脾の疲労による食欲不振、体の倦怠感やだるさに抜群の働きをする高麗人参をメインに、先に紹介した脾に気を補う玄米や黒豆がブレンドされています。玄米の香ばしさに心がとてもほっとするお茶です。

冬の間に溜まった不要なものを脱ぎ捨て、風でゆらされた気の巡りを調え、気、血、水を作る臓をしっかりと調える…全③回に渡ってお伝えした漢方養生を食事やお茶でゆったりと調えて春を健やかに満喫してくださいませ。

次回更新は4月3日(土)『理想肌に東洋医学でアプローチ!』あなたに必要なのは潤い?ハリ?

『春の真ん中の養生』”風”に吹かれて揺らぐ気の巡りに…

こんにちは。暖かくなり過ごしやすい気候になってきましたね。皆さん元気にお過ごしでしょうか。

前回お話しをした春の初めのデトックスを終えたら、次は『春の真ん中の養生』に移っていきましょう。

春一番、花吹雪、花嵐など春をあらわすのに風の動きを用いている言葉が多くありますよね。このことから春といえば風…というイメージが古くから日本に根付いていることがうかがえます。中医学から日本で発展した漢方においても春と風には深い関わりがあると考えられています。

漢方ではそれぞれの季節ごとに体調を乱す”邪気”というものがあると考えられています。免疫、抵抗力などが落ちていると邪気が隙をつき体内に。春の邪気は気の巡りを乱す”風邪(ふうじゃ)”というもの。

※風邪(ふうじゃ)と風邪(かぜ)は別。風邪(かぜ)のことを漢方では感冒(かんぼう)といいます。

この風邪(ふうじゃ)が体に侵入してくると”気”をスムーズに巡らせて情緒を安定させる”肝”という箇所を煽(あお)り、捲(まく)し立て、気の巡りをしっちゃかめっちゃかにしてしまうのです。それにより怒りっぽくなったり、塞ぎ込んだり、ソワソワと落ち着かない、あとは衝動買いなど普段ではあり得ない行動をとってしまう(ドキッ!)…思い当たる節ありますか?

春の真ん中の養生は”疏肝理気(そかんりき)”。肝を落ち着かせ、気の流れを調える事。

肝の動きを落ち着かせる食材を少し多めに食べてみてください。セロリ、トマト、ピーマンなどの野菜、魚介類ではクラゲなどが良いでしょう。これらの食材に気を調えるチャービル、三つ葉、グレープフルーツ、ライチなど香りの良いものを合わせると相乗効果でより良い働きに。また、春にため息が多くなったり、胸のつかえを感じる方は日本の山椒をお料理にちょこっと効かせるのがおすすめです。

白金癒淹でも肝を落ち着かせて春の不調を緩和する漢方茶をご用意しています。

★織姫の恋★肝の不調からくる気の乱れによる目まい、頭痛、目の充血を緩和する生薬”桑葉(そうよう)”をメインにブレンドし、肝をいたわり滋養する生薬、枸杞子も加えています。緑茶のような爽やかな味わいを楽しめます。

漢方の源流である中医学では、体と心を伸びやかにさせてあげる事が春を上手に過ごす一つの養生法として伝えられています。ゆったりと着られるお洋服で過ごしたり、ヘアスタイルをゆるりとほぐしたり、嫌なことはできる限り避けたり…体や心をあまり締め付けずに伸びやかに春を過ごしてみて下さい。

国際中医薬膳師 田中奈津子

次回は『春の終わりの養生』〜脾に元気を補い健やかな春を〜3月20日更新です。