明日は立冬。最後の季節”冬”の漢方養生<前編〉

こんにちは。気温はまだ20℃弱あり穏やかな陽気が続いています。明日は立冬。いよいよ冬に季節が切り替わります。一年で最後の季節”冬”。この季節を漢方の知恵を用いて上手に過ごし、季節を締めくくりましょう。冬を充実させるとそれが春に開花し、体調や心を快適に保つことへとつながっていきます。

冬の養生ひとつ目は”寒邪”をブロックして、とにかく体を温める気を増やすこと。寒邪は人の体を冷やし不調を引き起こす原因となる悪い気。空気中に浮遊しおており、冬になると勢いを増し、人体に入り込む機会を窺っています。

寒邪は体に入り込むと、私たちのを体を温める”気”を抑え込みます。そのため、体はどんどん冷えていき、気、血の通路である経絡がぎゅっと縮こまります。これにより気、血の巡りが停滞します。それにより関節の痛み、腰痛、月経痛などがひどくなったり、クマができやすく血色感のない蒼白い顔になったり…

冬の養生では寒邪に負けないよう気を増やして体を温めましょう。また、寒さで縮こまってしまった経絡をほぐして気、血の巡りをスムーズにしていきましょう。

冬の養生によい食材をご紹介します。

気血の巡りを促す食材…鮭、エビ、にんにく、にら、栗、シナモン、ク気の素の生成を活発にする食材…豆類、芋類、栗、りんごなど

上記の食材をお食事に加えてみてください。スープやお粥、シチューなど温かく食べられる調理法をおすすめします。

冬は『収蔵』の季節。中医学、漢方では動物たちが冬眠をするように激しく動かずに静かにじっと待つのが良しとされている季節で、この時期はあまりに激しい運動は控え、感情を大きく揺らさないよう安静に努めることが勧められています。

上記の食材であるシナモン、黒豆がブレンドされた当店の美味しい漢方茶を飲みながらおうちタイムをゆっくりとお過ごしになるのはいかがでしょうか。

次回はもう一つの冬の養生をお伝えします。

国際中医薬膳師 田中奈津子

白金癒淹の漢方コラムは毎月第一土曜、第三土曜に更新しています。次回の更新は11月20日です。