疲れにまつわる2つの精〜先天の精と後天の精〜

先天の精と後天の精

中医学、漢方では気、血、津液の元を精(せい)と言います。精には2種類あります。一つは産まれる前、お腹の中で親から受け取る先天(せんてん)の精。もう一つは産まれてから、自分の口で食べた物、吸い込んだ空気から作られる後天の精。

これら二つが合わさり私たちの体、肝、心、脾、肺、腎の五臓に届けられ、各臓で気、血、津液となり体や心に元気を与え、疲労やダメージを修復し、滋養していきます。

親から受け継いだ先天の精は“腎”に大切に貯蔵されており、後天の精は脾で作られています。寝ても疲れが取れない、体がだるい、やる気が出ない、日中に眠くなる…“脾”と“腎”が弱って精の生産が遅れているとこうした不調が。

脾が弱くなる一因に日本の気候があります。脾は湿気やジメジメした空気が苦手。日本のような湿度の高い地域では脾の不調を抱えている方が多いです。

そして腎、弱くなる一因に冷えがあります。2つの蔵を養生し、精を不足することなく生成できれば、体に必要な分の気、血、津液もまた体に必要な分しっかりと作られます。

脾を元気にするにはとにかく豆、芋、米です。そして腎を温めて弱らせない為にはお肉類、木の実類を多く摂りましょう。

脾を元気にする緑のパッケージ高麗人参入りの『草原の人魚』、腎を温める紫のパッケージシナモン入りの『雪娘のぬくもり』。2つの蔵、2つの精を守る当店の漢方茶、おすすめです。

“精”魂尽き果てぬようご自分の体質、体調にあわせた養生を続けましょう。

                         

国際中医薬膳師 田中奈津子

漢方コラムは毎月第一、第三土曜に更新されます。次回更新は4月16日です。