『喉ムズ、コホン、声枯れ』秋の乾燥で喉が不調に。〜喉に良い漢方とハーブ〜

こんにちは。暑くなく寒くなくそれでいて空気はカラッと…湿度が落ち着き、夏のまとわりつく様な湿気から解放され今はとても過ごしやすい時期ですよね。このまま快適な時期が続けば良いのに…と思っていても季節は巡るんですよね。次の冬に向け乾燥は秋の間にどんどん進んでいきます。

乾燥が度を過ぎてくるとやはり不調が出てきます。秋の乾燥に弱く不調を起こしやすい”臓”は『肺』。『肺』には喉などの呼吸器系が属しています。『肺』のグループは乾燥を天敵としており、ここに不調が起きると咳が出てきます。

東洋医学は出る咳を止めるだけではなく、咳を引き起こす根本的なものは何かを探ります。そこを調整して良い調子に調えていきます。秋に多い咳のタイプは二つ。これに合わせて症状を和らげていく漢方生薬、ハーブ、食物を上手に取り入れましょう。

①激しい咳き込みが頻繁に出る。喉の乾燥、痛み。痰が出にくい。体が熱い。      

⇨体に入ってきた邪気(不調の原因となる悪い気)を発汗させて外に出す”薄荷(はっか)”と”桑葉(そうよう)”を。ハーブならタイムオレガノを。ミートソースにこれらのハーブをぱぱっと振りかけると喉ケアとお料理の風味をアップさせるので一石二鳥です。

②乾いた咳。咳き込みが長い。鼻、唇が乾燥。喉がかゆい。鼻づまり。なんとなく寒気がする。                             

⇨体に侵入して乾燥を引き起こしている邪気を払う”桑葉”、乾燥した肺を潤して咳を鎮める”杏仁”。ハーブならクレソン。果物では今の時期ならが良いでしょう。梨の皮を捨てずに乾燥させて保存し、普段のお茶に一さじ混ぜると良いですよ。

この2タイプの秋の咳の両方に良いものお気づきですか?はい、”桑葉(そうよう)”です。咳を止める特効薬として古くから重宝されてきた生薬です。今回お薦めしたい当店の漢方茶はこの”桑葉(そうよう)”をたっぷり使った

『織姫の恋』

この漢方茶に使われている”桑葉(そうよう)”は当店のブレンダー責任者が日本各地の桑農家さんの中から探し出したものです。風味、香りを損なわないよう唯一無二の製法でじっくり丁寧に蒸し上げて届けてもらっています。

毎日飲むものだから品質に妥協あらず!また、毎日飲むものだから美味しさにも妥協はあらず!こだわりにこだわり抜いた為商品ができるまでにかなりの時間がかかりました。一茶入魂といえば大袈裟でしょうか…当店のこだわりの結晶『織姫の恋』をぜひ一度お試しくださいませ。飲むと喉から胸にすーっと清涼感が広がります。

秋の乾燥を美味しい漢方茶で緩和していきましょう。

国際中医薬膳師 田中奈津子

次回の更新は10/1の午後2時ごろです。

夏バテ回復には”陰”の補充を〜夏の虚労の養生〜

この時期、寝足りない、疲労感、食欲不振、元気、やる気が出ない…など、そろそろ夏の疲れ、夏バテが出てくる頃ではないでしょうか。

夏は””がもっとも強くなり、発汗が激しく、気血の巡り、神(精神、神経)が激しく乱れて疲労します。また発汗により陰がすごいスピードで消耗していくので陰陽バランスが崩れ、体を滋養できずに疲労が溜まり、漢方でいう『虚労』という症状があらわれます。夏の『虚労』=夏バテ

疲れているならスタミナ料理を!…確かに。しかしスタミナ料理だけでは根本の解決にななりません。夏バテ回復にまず必要な養生は…

”陰(血、津液)”を増やすこと『補陰』

陰が増えれば陽を抑えられ、体の熱を鎮め良質な睡眠を十分に取ることができます。しっかりと睡眠で休息を取れるようになれば疲労は回復し、体と心は滋養され元気になっていきます。

補陰をリードする食材でおすすめなのは【黒豆】【黒胡麻】【枸杞の実】です。黒豆の煮物はお砂糖も合わさっているのでさらに補陰効果が高まります。黒胡麻のおすすめの食べ方は〈黒胡麻ハニートーストバナナ〉バナナは熱をとる『清熱』の食材ですから合わせて取ると体が涼やかに…

養生をはじめてすぐに”陰”が増えるわけではないので、その間は体の熱を冷やす豆腐、アスパラ、ごぼう、ズッキーニなど『清熱』の生薬、食材を適宜とっていきましょう。ただ、長期間『清熱』生薬、食材をとると冷えが残り秋や冬にひびきます。”陰”が増え、夏バテが少し回復したなと感じたら『清熱』生薬、食材は控えましょう。

黒豆がブレンドされた当店の漢方茶、水分補給の際に夏バテの養生も併せてできますよ。漢方茶選びのお手伝いをさせてください。カウンセリング経験豊富なスタッフが常駐しておりますので体調に不安、お悩みがある方いつでもご相談くださいませ。

夏バテで食欲なんてないのにスタミナ料理なんて無理ーっ!…という夏バテ真っ只中に居られる方はまず”陰”をたくさん補給していくことから養生をはじめましょう。

国際中医薬膳師 田中奈津子

次回の漢方コラム更新は9月4日(土)14:00です。

”むくみ”を飛ばしてすっきり軽やかな体を…

関東地方は例年より少し遅く梅雨入りをしました。雨の多い季節は体に不要な湿気がたまるので体が重く、むくみが出やすい時期です。この梅雨時期に私たちの体に忍び寄るのが”湿邪”という”むくみ”の原因となる邪気です。脱”むくみ”!の為にまずは”湿邪”という敵を知りましょう。

湿邪の性格は一言で言うと粘着質。チクチク、ネチネチと長ーーく体に居座り不調を長びかせるタイプの邪気なのです。不摂生な食事をされていたり疲労が溜まっている方は、湿邪が入り込みやすくなっているので食生活の見直し、十分な睡眠を心がけていきましょうね。

この湿邪が体に入り込んでしまうと脾が行う【運化】という働きを邪魔します。運化とは体に必要な水分を『肺』や『腎』と連携して体の各所に届け、古い水分を尿として排泄する巡り、サイクルです。湿邪は脾にまとわりつき、動きづらくさせてこの巡り、サイクルを停滞させてしまうのです。その為、古い水分がどんどん体内に溜まり、肌肉にまで浸水して膨れてきます。これが”むくみ”です。水分の巡りの不調に依るものなので”むくみ”を漢方中医学では”水腫(すいしゅ)”と呼びます。

湿邪を寄せ付けない為には部屋の換気をこまめにして湿気が室内にこもらないようにする事や、脾を弱らせないようにお腹を温める事が大事です。では、食事ではどんな注意をしたら良いのかというと…まずは消化の良い物で脾に負担をかけない事。そして甘いものや脂っこいものは”湿邪”を呼び込むので控えめにする事。あとは利尿作用のある食物や脾の元気を補強する食材、気の巡りをよくする物などを下記を参考に食事に取り入れてみてください。

利尿、利水の食材…あずき、玄米、はとむぎ、きゅうり、鯛、黒豆、とうもろこし、白菜など。

脾を元気にする食材…白ごはん、米麹、さつまいも、黒豆、枝豆、小松菜など。

気の巡りをよくする”行気”の食材…しそ、すだち、かじきまぐろ、陳皮、八角、バジル、ピーマンなど。

今回のテーマ”むくみ”に良い働きをしてくれる当店漢方茶は『草原の人魚』と『雪娘のぬくもり』です。

お腹があまり強くない方はこちらの『草原の人魚』を。

脾を元気にする高麗人参、”利水”の働きがある玄米、とうもろこし、黒豆がブレンドされています。

冷えがある方はこちらの『雪娘のぬくもり』を。

体を温める桂枝(シナモン)、”利水”の働きがあるはと麦、とうもろこし、黒豆がブレンドされています。

体がすっきり軽くなると心まで軽やかになります。梅雨の合間にあるお天気の良い日にはお外に出て太陽の暖かさと自然に吹く風にあたり、体に溜まった湿気を乾かしましょう。                   

国際中医薬膳師 田中 奈津子

漢方コラムは毎月第一、第三土曜日更新です。次回は7月3日更新です。

頭も体もスッキリ!コロナ下での『眠活』②不安型不眠

緊急事態宣言が今月20日まで延期と!本当に困難な期間が長くなり、仕事はどうなるのか?緊急事態宣言がまた延期になる?就職活動はどうなるのか?学校はどうなるのか?ワクチン接種はどうなってるのか?など、不安や悩みが尽きません。この様な過度な不安で寝付きが悪かったり、夜中に何度も目覚めたり…と睡眠に影響が出てきている方、多くいらっしゃるかと思います。

過度な不安や心配が引き起こす『不安型不眠』。漢方・中医学ではどのように改善していくのかお話ししたいと思います。

漢方中医学では体の働き(呼吸、消化、生殖、睡眠など)や内臓、器官を【肝・心・脾・肺・腎】5つのグループに分け、それらを”五臓”と呼んでいます。臓がお互いに協力し合い、監督し合い、良い調和を保ちながら体を動かしていると考えられており、この調和が崩れると不調や病を招くとされています。

『不安型不眠』は二つの臓の不調により起こります。まず一つ目の臓は”心”。精神や神経を司る臓ですから睡眠に直接関わる臓です。不眠はこの”心”に血が足りない時に起こると考えられています。もう一つ間接的に関わってくる臓が”脾”。私たちが食べた物から気・血・津液を作る臓です。この”脾”は不安や心配という感情に弱い臓です。不安や心配が過ぎると脾の働きが悪くなり、血の生成が滞ります。血が作られず不足すれば”心”に充分な血は行き渡りません。これら二つの臓の”W不調”を…

心脾両虚(しんぴりょうきょ)

『不安型不眠』はこの心脾両虚により起こります。不眠と併せて忘れっぽかったり、目眩がしたり、食欲が出なかったり…というサインも出てきます。”脾”を元気にして血をたくさん作ってもらい、”心”にその血を補っていくことで不眠は解消されていくでしょう。

心に血を補う食材…牡蠣、すずき、卵黄、いわしなど。※前回ご紹介した”心”の乱れを調える食材と併せて使うとgood!

脾を元気にする食材…うるち米、玄米、枝豆、さやいんげん、なめこ、平茸、舞茸など

”脾”を元気にする生薬【高麗人参】、↑の【玄米】がブレンドされた当店の漢方茶もぜひお試しになってみてください。

漢方中医学では不眠のように同じ不調でも原因となるものが違えば養生方法が異なります。自分の体は自分が一番知っている!のが一番良いのですが、ご自分でのジャッジが難しい時にはぜひ当店までお気軽にご相談ください。

国際中医薬膳師 田中奈津子

漢方コラムは毎月第一、第三土曜日更新です。次回は5月19日更新です。

『理想肌に漢方でアプローチ!あなたの肌に本当に必要なのは?』②ハリ

こんにちは。朝から雨降りですね。気温はそんなに低くないのですが雨のせいで肌寒く感じる1日となりそうですね。

今回はお肌の”ハリ”について。目元、口元にぴんっとハリのある方、年齢よりずっと若々しい印象を与えます。また、”たるみ”などの凹凸が肌にないため光が集まりやすく、より一層肌が明るく輝いているのです。そんな肌になりたいっ…40代半ばに差し掛かる筆者もそう切に願う日々です。願うだけでは叶いません、肌育は実行あるのみ!

漢方・東洋医学の知恵を用いたアプローチ、インナーケアでピンっと”ハリ”のある肌を育てていきましょう。まず、漢方・東洋医学では皮膚と、その下にある肌肉を分けて考えています。ハリが欲しい!という方はまず肌の土台である”肌肉”の生成と深く関わる臓『脾』を知りましょう。消化や栄養生成を担う脾グループに肌肉は属しています。

脾の主な働きは、

・飲食物から気・血・津液を作る。

・気、血、津液を他の臓へ送り届ける。

在体合肌肉』脾は肌肉、人体の末端まで管理する

生命活動にとってかなり重要な役割を担っている脾という臓。この臓の働きが弱まれば栄養は作れず、届けることもできません。

脾が元気に動き、栄養を正常に体の各所に送り届けられれば肌肉は豊満で力強くピンとハリのあるものに。しかし脾が不調だと体、肌肉は小さくしぼみ弱々しくなっていきます。肌肉がしぼみ、ハリが無くなってだらんと垂れる。これが”たるみ”なのです。何としても回避、改善したいところですよね。

栄養作りを活発にし、しっかりと栄養を届けてもらいハリある豊かな肌肉作りを手伝う食材をご紹介しましょう。

脾を温めていたわり、元気を与える食材…米麹、みそ、納豆、かぶ、かぼちゃ、まいたけ、いわし、鮭、さわら、牛すじ肉、鶏肉など

脾を正常な働きに戻す食材…うるち米(白米)、玄米黒豆、カリフラワー、小松菜、そら豆、マッシュルーム、りんご、うに、鯛、牛肉など

前回もお話ししましたが、以臓補臓。脾を補い強くしていくには脾を食べる。すなわち焼き肉屋さんに行ったらミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ、シマチョウなどの脾に属するホルモンを食べてみましょう。脂肪分、カロリーもお高いのでそこら辺は考慮しながら…

もっとさっぱりいきたいよ!という方には脾に元気を与え、肌肉のハリを育てる白金癒淹の漢方茶を。

『草原の人魚』

上記にあげた食材の玄米、黒豆のほか、脾に力を与える高麗人参をブレンドに加えた漢方茶です。日本の玄米茶に近い味わいで立ち上る湯気の香りにホッとするお茶です。

食事のほか日々の暮らしで脾が喜ぶ養生は、心を安らかに保つこと、部屋の風通しをよくして”じめっ”とさせないことです。脾は体も心も軽やかなのがお好きなのです。

国際中医薬膳師 田中奈津子

漢方コラムは毎月第一、第三土曜日の14時更新です。次回の更新は5月1日『理想肌に漢方でアプローチ③潤い』です。